現場仕事は一般的に、給料が低い・身体がつらい・死亡リスクが高いといったデメリットが考えられています。
では、メリットはどうでしょうか?
本記事では、建設業に興味がある人、建設業しか仕事がない人に向けて「現場仕事のメリット」をご紹介します。
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今は辞めていますが、ぼくの給料は20代にしては少し多かったかもしれません。
最初は現場仕事を手取り16万円でスタートして、2年で手取り45万円を超えました。
統計データ&経験者としての意見、両方の側面から現場仕事のメリットを解説していきますね。
目次
「現場仕事はNG」と感じる理由と実態(デメリット?)
まずは、一般的に考えられているデメリットと実態の差を明らかにしますね。
- 給料が低い
- けが・病気で収入ゼロ
- 出張が多い
- 年を取るほどつらい
- 死亡リスクが高い
デメリット1:給料が低い?
実は、金額だけを見ればそんなことはありません。
現金給与は他の産業と比べて「高い」
厚生労働省の統計データによると、建設業の現金給与はその他の産業と比べてもかなり上位です。
参照元:厚生労働省【産業別月間現金給与総額】*Excelファイル
最下位の飲食サービス業(16位)は月収11万7600円です。
- 業界全体が低賃金
- アルバイトが多い
そう考えると、アルバイトがそれなりにいる建設業(5位)が月収41万7500円なのは「ずいぶん高いな」と感じました。
体験してわかったこと
統計だけでなく、ぼくの経験からも「給料が低い」は間違いだと感じます。
例えば、単純な肉体労働で日当1万2千円もらう大学生もいます。
ただし、派遣会社経由だと足元を見られます。日当8000円以下なんてことも。
さらにグローブやカッパなどは自費負担なので、余計に少なく感じます。
とはいえ、専門職は一般的な会社員よりも稼げます。
その証拠に、ぼくの後輩は重機の操縦をマスターし、20代前半なのに日当1万→1万8000円になりました。
つまり「業界全体が給料低い」は正しくないということ。所属する会社や自分のポジション次第です。
- 派遣会社だとかなり搾取される
- 中卒の未成年者もかなり搾取される
- 1次請け>2次請け>3次請け
- 専門職や現場監督は高給取り
そして、肝に銘じて欲しい…!
素人同然の新人は
給料が低くて当たり前!
入社したら、コツコツと資格を取りましょう。
デメリット2:けが・病気で収入ゼロ?
建設業・製造業・鉱業など、危険が多い業界は「安全第一」を何よりも大切にします。
- 骨折したらしばらく働けない
- 病気になると休養を求められる
けがや病気で働けないのはどの業界も同じですよね。
本当の問題は、現場仕事は「けが・病気になりやすい」という点です。
高所作業や重い部品を扱うことが多いから、けがに注意!
また、現場で配布される「お弁当」は白米と揚げ物ばかりで野菜はほとんど入っていません。喫煙者も多いですし、パチンコやキャバクラで寝不足・飲みすぎが恒常化している人も多いです。
体調不良だと注意散漫になり、けがのリスクが跳ね上がります。
しかし逆に言えば、自己管理で「けが・病気のリスク」を大きく下げられるのです。
デメリット3:出張が多い?
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現場が終われば次の現場へ。現場仕事の宿命ですね。
現場は全国各地にあるので、普通は現場近くのホテルか賃貸住宅で過ごすことになります。
ぼくも日本全国を飛び回っていました。海外出張もあります。
だからこそ「この仕事を続けていたら結婚できないな」と思っていました。
- 落ち着いて恋愛できない
- 奥さんに会えるのは週1回か月1回
「絶対に出張したくない」という人には向いていない仕事です。
ちなみにですが、奥さんと一緒に現場仕事している方もチラホラいました。
私見ですが、奥さんと肉体労働するのはイヤです…
デメリット4:年を取るほどつらい?
体力が衰えるはずだから、年を取ったらつらいに決まっている!
実はぼくも、働く前は「長くは続けられない」と信じ切っていました。
ですが実際は「まったく」と言っていいほどそんなことはありませんでした。
- 工具による作業が多い
- 重いものは誰かと一緒に運ぶ
- 60代の作業者も割といる
- 重機の操縦や現場監督の道もある
- 年齢よりもやる気の問題
実際、60代より「やる気がない20代」のほうがつらそうな顔で作業しています。
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ものづくりが好きな人や楽しく会話しながら仕事したい人は現場仕事が向いていると思いますよ。
肉体労働の将来性について考察したこちらの記事もぜひ読んでみてください。
デメリット5:死亡リスクが高い?
死ぬかもしれない仕事なんて誰だって嫌ですよね。
ところで、建設業は本当に死亡リスクが高いのでしょうか?
建設業は死亡者が多い?
厚生労働省の統計データを見ると、建設業は肉体労働の中でもダントツで死亡者数が多いことがわかります。
参照元:厚生労働省【業種別死亡災害発生状況】
もっとも、各業種で「パイの大きさ」がバラバラだからかもしれません。
建設業に関わる人が多いと、それだけ死亡者数も増えますよね。
年間死亡者数は減り続けている
次は死亡者数の推移を見ていきましょう。
和暦 | 建設業の死傷者数 | うち死亡者数 |
---|---|---|
昭和55年 | 113,000人 | 1374人 |
昭和61年 | 72,000人 | 927人 |
平成2年 | 61,000人 | 1075人 |
平成6年 | 50,000人 | 942人 |
平成10年 | 30,000人 | 725人 |
平成14年 | 31,000人 | 607人 |
平成18年 | 27,000人 | 508人 |
平成22年 | 21,000人 | 365人 |
平成26年 | 17,000人 | 377人 |
参照元:厚生労働省【第19表 労働災害発生状況の推移(建設業)】
平成26年(2014年)のけが人は17000人で、死亡者数は377人です。
ご覧の通り、事故は着実に減少しています。
つまり「昔ほど死亡リスクは高くない」と言えそうです。
- 給料が低いなんてことはない
- けが・病気にならない努力が大切
- 出張は間違いなく多い
- つらさは年齢よりもやる気の問題
- 死亡リスクは年々下がっている
「建設業」にはどんなメリットがあるのか
次はメリットです。
建設業(現場仕事)にはメリットが7つあるとぼくは考えています。
- 「国」もお客さんになる手堅い市場
- ダントツで出世・独立しやすい
- 寮・宿泊施設が無料
- 低学歴・高齢・未経験でも歓迎
- 大卒が輝く
- 上下関係が緩い
- 小さな工夫が結果に出て楽しい
メリット1:「国」もお客さんになる手堅い市場
建設業はとても手堅い業界です。
- 培ったノウハウや資格が無駄にならない
- 滅多にクビにならない
- クビになっても必ず再就職できる
少なくとも翻訳業よりはマシ。翻訳の相場は30年で半減しました。
重要なのは「大型受注が必ず入る業界」という点です。
高速道路やスカイツリー建設など、国が新しい方策を取るたびに建設業が動きますよね!
国が大規模な発注を出せば、大手ゼネコンが複数の下請に依頼します。それぞれの下請はさらに下請に依頼するので、波紋が広がるように大勢の建設業者が潤うのです。
1次請け、2次請け、3次請けって言いますよね。
だからこそ、建設業は良い仕事だと思います!
メリット2:ダントツで出世・独立しやすい
現場仕事は実力主義な世界です。
- 重機の操縦を覚えて給料が倍になった
- 入社3カ月で引き抜きが起きて給料が倍になった
- 仕事を覚えて20代後半で独立した
どれもぼく、もしくはぼくの知人が経験しています。
正直、これほど花を開かせやすい業種は珍しいです。
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給料は年功序列ではありません。自分の市場価値を正しくアピールして月収90万になった知人もいます!
現場仕事は「指示待ち人間」の割合が多く、そのため努力した人は簡単に脚光を浴びれます。
現場仕事の暗い面ばかり見るのをやめてみてはいかがでしょうか?
メリット3:寮・宿泊施設が無料
独身の方にとっては「出張が多い」はメリットかもしれませんね。
というのも、家賃と光熱費が浮くからです。
- 仕事中は出張先で生活する
- 仕事がない時は実家に帰る
本来払うはずだった10万円(家賃+光熱費)。あなたなら何に使いますか?
毎月10万円貯めたら、人生切り開けるかも!
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メリット4:低学歴・高齢・未経験も歓迎
本当に誰でも働けます。
- 働いている中卒・16歳
- 75歳で現場に出ている人
ぼくが担当した現場にいました。何の問題もなくテキパキと働いていましたよ。
データで見る就職難易度
リクルートワークス研究所が発表した統計データを見ると、流通業と建設業は人手不足とわかります。
年 | 建設 | 製造 | 流通 | 金融 | サービス・情報 |
---|---|---|---|---|---|
2010 | 4.14 | 1.66 | 4.66 | 0.21 | 0.67 |
2012 | 4.95 | 1.27 | 3.94 | 0.19 | 0.47 |
2014 | 4.77 | 1.31 | 4.76 | 0.18 | 0.41 |
2016 | 6.18 | 1.73 | 5.65 | 0.23 | 0.56 |
2018 | 9.41 | 2.04 | 11.32 | 0.19 | 0.44 |
2020 | 6.21 | 1.97 | 11.04 | 0.28 | 0.43 |
2022 | 6.40 | 1.71 | 8.12 | 0.21 | 0.31 |
就職難度 | 簡単〇 | 普通△ | 簡単〇 | 困難X | 困難X |
参照元:リクルートワークス研究所【大卒求人倍率調査(2022年卒)】
ご覧の通り、建設業なら履歴書に自信がなくても働けます!
メリット5:大卒が輝く
よく「大卒で現場仕事を選ぶとか頭悪いだろ」と言う人がいますが、ぼくはそうは思いません。
- 大卒でも就職できない人は多い
- 現場仕事なら大卒が「後光効果」になる
- 周囲との差を確認してセルフイメージが上がる
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ぼくは大学を中退しましたが、アメリカの大学なのでみんなビビっていました。社長も期待して可愛がってくれました。おかげで2年で給料が3倍になりました!
「ただの大卒」を真の意味でアドバンテージにしたいなら、現場仕事は本当におすすめです。
もったいないどころか、最大限に「大卒」を活かせる仕事なんですよ!
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
メリット6:上下関係が緩い
現場仕事は気が楽ですよ~!
取引先が上下関係を気にするタイプなら合わせますが、普段は年齢や立場の差があまり気にならないはずです。
- 尊敬語は「です・ます」で十分
- 大切なのは仕事を楽しむこと
年齢が倍近く離れている人ともまるで友達のようなノリで会話できます!
「人に気を遣う」のってイヤですよね。
現場仕事なら素の自分を出せるので、とてもおすすめですよ。
メリット7:小さな工夫が結果に出て楽しい
現場仕事は楽しいです!
- 小さな工夫が結果につながる
- ゴール目指して仲間と協力し合う
- 体を動かしてものを作る
ものづくりって楽しいですよね!
重要なのはお金よりも「得意かどうか」です。
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ぼくも「会社の利益のため」をモットーに楽しく仕事していたら、いつの間にかリーダーになっていました。自分の采配で仕事ができて非常に楽しかったです!
小さな工夫で生産性が上がると楽しいです。その結果周りの人に認められてさらにうれしくなります。
小さな工夫で大きな結果を出すコツはこちらで解説しています。
まとめ:建設業はメリット多いから転職しても大丈夫!
- デメリットと実態の差を5つ紹介
- メリットを7つ紹介
もしかしたら「そんなおいしい仕事ではない!」と反論したくなった人もいるかもしれませんね。
大切なのは「どう働くか」です。
「どんな仕事をするか」よりもずっと大切だとぼくは思います。
肉体労働は人生のセーフティーネットです。
もし「できる仕事がない」と感じたときは、本記事を読んで勇気とやる気を取り戻してくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
今回は以上です。
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